慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団(けいおうぎじゅくワグネル・ソサィエティーだんせいがっしょうだん)は、慶應義塾大学の学生により構成される男声合唱団。1901年に創立された音楽団体「ワグネル・ソサィエティー」の男声合唱部門である。ソサィエティーは、男声合唱団のほかに、オーケストラと、1950年に発祥した女声合唱団から成り、1950年代まではそれぞれが協力して演奏会を開くことが多かった。1960年から三者が独立して、定期演奏会を開催するようになった。これまでに133回の定期演奏会を実施している。
ワグネルの名は、作曲家のリヒャルト・ワーグナーから取られている。団員はワグネリアンと呼ばれ、そのハーモニーにはワグネルトーンという名がついている。実際には、ワーグナーの楽曲を演奏することは少なかったものの、1991年には、管弦楽つきの合唱曲「使徒の愛餐」を東京都交響楽団の定期演奏会にて日本初演している。
指導に長年たずさわってきた畑中良輔や北村協一の意向で、歌曲やオペラ、ミュージカル、混声合唱曲などの他ジャンルから、男声合唱曲に編曲したものを演奏する傾向が強い。これについて畑中は、第102回定期演奏会(1977年)において、「男声合唱曲は、オリジナルなものだけでは、真にすぐれた音楽性を持つ曲は限られて来る」と語っている[3]。作曲家への新作の委嘱に対しては、早稲田大学グリークラブや関西学院グリークラブほど積極的ではないものの、多田武彦の「草野心平の詩から」や、間宮芳生の「合唱のためのコンポジションIII」などを生み出した。
年3回の演奏会(東京六大学合唱連盟定期演奏会、東西四大学合唱演奏会、定期演奏会)が団の活動の中心である。それ以外には、国内演奏旅行や依頼演奏(お座敷)などがある。
ヴォーカルグループのダークダックスや、バリトンソリストの堀内康雄、大久保光哉、杉田あきひろ、谷口伸、演出家の鵜山仁、音楽評論家の渡辺學而などを輩出。現在、専任指揮者の畑中良輔、客演指揮者の佐藤正浩、ヴォイストレーナーの大久保昭男と綱川立彦の指導の下で演奏している。
またトヨタ自動車の渡辺捷昭(2005年~2009年社長、2009年~副会長)を始め、経済界にも多くの人材を輩出している。
「合唱名曲コレクション」シリーズの発売元は東芝EMI、「日本合唱曲全集」の発売元はビクターエンタテインメント(のち、日本伝統文化振興財団)。この他、慶應義塾関連の歌を演奏したCD、レコードが数多く存在する。
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