ボートはハイドロプレーンと呼ばれる、船底にステップと呼ばれる段差のあるタイプで、浮き上がるように走るため接水面積が少なく、スピードが出る反面、旋回が大きくなりがちである。木製で、安全対策のためカウリングが付けられている。ボートの両サイドには、番号によるボートの識別を可能とするよう、番号札がつけられている。また、ボートに付けられる艇旗の色は枠番に基づきユニフォームの色に合わせて決められており、、さらにボートのカウリングの色も合わせられる場合がある。
モーターは400ccの2気筒2サイクルで最大出力は毎分6600回転・32馬力、重さは41-42kgである。エンジン内部では2つのシリンダーが縦向きに並行して設置され、シリンダー内のピストンの往復運動を回転に変えてプロペラに伝える。
ボートとモーターはすべてヤマト発動機製の同一規格のもので、各競艇場に用意されており、開催初日の前日(「前検日」と呼ばれる)に抽選で各選手に割り当てられる。各競艇場は60ないし70機のモーターを保有しており、1つのエンジンは最大で1年間使用される。規格が同じであるため、追い込みが決まることはほとんどない。
船内の操縦席にはハンドルとレバーが設置されている。ハンドルは舵ではなく、モーターの向きを変えるためのもので、右に切ることでワイヤーが引っ張られ、モーターの向きが変わる。レバーはエンジンに出力を調整するためのもので、握ると出力が上がる。旋回は右手でモーターの向きを、左手でプロペラの回転を変えることで行う。レバーは手を放すと元の位置に戻るが、ハンドルは手を放しても元の位置に戻らない。走行時、選手は船内に正座してボートを操作する。
モーターは船外に取り付けられる。取り付けにはチルトアジャスターと呼ばれる装置が用いられ、取り付け角度(チルト角度)は7段階(0度、0.5度、1度、1.5度、2.5度、3度)に調節することができる。チルト角度が1度のときプロペラは水面に対して直角となり、1度より小さいとプロペラは下向きに、1度より大きいとプロペラは上向きになる。チルト角度が小さくプロペラが下向きの状態で走らせると、水を深くかくことになるため出だしのスピードが速く、逆にチルト角度が大きくプロペラが上向きの状態で走らせると、出だしのスピードは遅いが加速がつきやすくなる。競艇場によってはライナーと呼ばれる板の使用が許されており、これを使うとモーターの取り付け位置(高さ)やハネ上げ角度を調節することができる。モーターの高さを上げたりハネ上げ角度を大きくすると、加速しやすくなる代わりに小回りがききにくくなる。
開催期間中、選手はモーターの整備とプロペラのマッチングの調整に多くの時間を費やす(ボートの整備はできない)。モーターの整備も整備士に相談することはできるが、作業はすべて選手自身で行わなければならない。モーターは同じロットの量産品であるが、選手がどのような整備を行ったかによって発揮される性能に差が生じる。特にSG、G1といった格の高いレースでは選手の整備力が勝敗を左右する。転覆などでモーターが水を被るとその後の調整しだいでモーターの性格が大きく変化することがある。こうしてある程度モーターが「育った」状態になると、選手がくじ引きでどのモーターを引くかが勝敗の分かれ目になる。このため、各紙の着順予想ではモーターの状態を表すマークが記載されている。なお、モーターとボートは登録から1年を超えて競走に使用できないことから、年に1度一斉に取り替えられる。モーターやプロペラの整備後、選手は次の競走までの間に水面を利用して試運転を行う。走行回数に制限はなく、整備をしてはこまめに試運転を繰り返す選手もいれば、あまり試運転を行わない選手もいる。この試運転も舟券の予想の参考になる。
競走中、ボートの速度は時速80キロ強に達する。最高速度で走行している時、選手は「デコボコ道をダンプで猛スピードで走った」ような衝撃と、「大雨の日にアスファルト道路を全速力で走った」ようなハンドル操作の感覚を覚えるという。強風や波浪などで波高が高くなるなどの要因で水面が荒れている場合は、ボートが水面でバウンドした時に転覆しやすくなり危険なため、各ボートに「安定板」と呼ばれるフィンを主催者判断で装着することがある。安定板を装着すると船体は安定するが、ダッシュ力が落ち伸びが悪くなるといわれ、着順予想にも影響を与えるため事前に「安定板装着」であることが主催者より告知される。
ボートがエンストした場合、ボート内に備え付けのオール(パドル)を使ってボートを漕ぐことが認められている。
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