競輪選手は、日本競輪学校において1年間研修を受けて競輪に関する知識と技能を習得し、競輪選手資格検定に合格して同校を卒業し、選手登録された者である。選手の権利を守る団体として日本競輪選手会があり、各選手は各都道府県にある日本競輪選手会の支部に所属している。
競輪学校の入学試験には一般試験と特別選抜試験があり、後者は各種スポーツ競技における成績優秀者を対象としている。特別選抜試験の受験資格は非常に厳しく、ほとんどの受験生は一般試験を受験する。一般試験には自転車の走力を測る技能試験と運動能力を測る適性試験があり、いずれかについても1次試験と2次試験が課される。合格率は一般試験の技能試験が7ないし10倍、一般試験の特別選抜試験が10ないし20倍である。受験1回目での合格率は約3割で、合格者の多くは複数回の受験を経験している。入学希望者は自転車競技愛好会や高校・大学の自転車部に所属して練習を積むケースが多い。
デビュー直後はA級3班に所属し、その後はS級戦(S級S・1・ 2班戦)・A級1・2班戦・A級チャレンジ戦(A級3班戦)に分けられた3クラス戦制の中で、2級6班制による半年毎の格付け入れ替えを経て、最上位のS級S班(2012年より9名)を目指す体系となっている。南関東公営競馬の予想屋で競輪ファンでもある佐々木洋祐は、最上位クラスの選手と最下級クラスの選手との実力差は、一緒に走ればほぼ100%最上位クラスの選手が勝つといえるほど絶対的なものであると述べている。
成績の振るわない選手は選手登録を抹消されることもある。選手の所属する級および班は、競走得点および評価点に基づいて決められる。まず競走成績に応じて競走得点が算出される。競走得点は着順が良いほど、また格の高いレースほど高く設定されている。さらに競走得点をもとに評価点が計算され、それをもとに選手の所属する級および班が決められる。ちなみに、選手のランクはレーサーパンツの下地とラインの色から判断することができ、A級は黒地に緑のライン、S級は黒地に赤のライン、S級S班は赤字に黒のラインとなっている。
選手は月に2つないし3つの開催に出場する。出場レース数に換算すると、平均して月に6ないし9レースである。出場は、JKAのあっせんに対し選手が意思表示を行うことによって決められる。出場が決まった選手は開催前日、指定時間までに競輪場へ入らなければならず。競輪場に到着した選手は参加登録および健康診断を受け、さらに分解してバッグに入れて持ち込んだ自転車を組み立てて検査を受ける。検査に合格した選手は3日ないし4日間宿舎(主に4人部屋)に滞在し、外部との連絡を絶つ。開催当日は午前中に再度自転車の検査を受けた後で練習を行い、レースに備える。
レースへの出場がないとき、多くの競輪選手は練習漬けの日々を過ごすといわれている。競輪選手にはシーズンオフがない。そのためレースへの出場が続き、したがって練習のできない期間が長くなった選手は脚力に衰えが出る(「貯金がなくなる」と表現する)ようになる。各選手の過去の出場履歴は車券予想におけるファクターの一つである。
選手の収入源は賞金や出走手当で、実力下位であっても一般的なサラリーマンよりも高額の収入を得ているといわれている。中野浩一『競輪選手になるには』(ぺりかん社、2004年)によると、成績に関係なく支給される出走手当は1開催3ないし4つのレースに出場するだけで20万円近くになり、年間30開催に出場するだけで500万ないし600万円を手にすることができる。また、賞金はAクラスの一般戦の優勝賞金が6ないし8万円、GII以上のレースになると優勝賞金は1000万円を超え、最もランクの低いA級3班でも平均して800万円弱の年収を手にすることができる。
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