角運動量(かくうんどうりょう、英語:angular momentum)とは、運動量のモーメントを表す力学の概念である。
位置 において、速度 で運動している質量 の質点の、原点のまわりの角運動量 は、次式で定義される。
ここで、は外積を表す記号であり、 は質点の運動量である。方向は他のモーメント同様からに回転するとき、右ねじの進む方向である。外積であるので、角運動量の大きさは次のように表される。
ここで、はとのなす角を示す。
角運動量の単位時間当たりの変化量 は力のモーメント に等しい。
ここで次の関係を使った。
このことから、力が動径方向(方向)にあるか、あるいは力が働いていないときはとなり、したがって、このとき角運動量は時間とともに変化しなくなる。このことを角運動量保存の法則(角運動量の保存則)という。
詳細は「角運動量保存の法則」を参照
保存則が成り立っている物体に加わっている力、すなわち動径方向(方向)と同じ向きにある力は、その大きさをとすると、次のように表すことができる。
この力は中心力と呼ばれる。
惑星間に働く万有引力は中心力であり、したがって、惑星の角運動量は保存される。保存則は、ケプラーの第2法則「面積速度一定」と密接な関わりがある。単位時間当たりに惑星の掃く面積は、次のように表され、
したがって、掃かれる面積の時間による変化率が一定ならば、角運動量も一定の値をとる。
等速直線運動においてはベクトル量である運動量 が時間によらず一定であるのに対し、等速円運動においては、運動量の大きさは一定であるが、向きは時間により変化する。外力 が加わらないとき、力のモーメント は であり、角運動量は等速直線運動でも等速円運動でも時間によらず一定のベクトル量となる。
ここでωは角速度である。したがって、回転運動している質点の角運動量は
最後の式の形はベクトル三重積であり、よって、
次に、多数の質点が混在する質点系の、力のモーメントと角運動量の関係を述べる。質点系の角運動量の時間的変化率は外力のモーメントに等しく、内力のモーメントに依存しない。これは次のように示される。 番目の質点の角運動量をとすると、その質点の力のモーメントは
また、番目の質点に作用する力で表せば、
(1)
となるが、内力の部分の力のモーメントについては、運動の第3法則により、
(2)
の関係が成り立つ。内力の向きはちょうど番目と番目の質点間を結ぶベクトルと同じ向きであることから、(2)はとなり、力のモーメント(1)の総和をとれば、質点系での内力のモーメントは
となる。したがって、質点系での力のモーメントの総和は外力のモーメントでだけの和で与えられ、角運動量の総和をとすれば次式のようになる。
ゆえに、質点系の全角運動量の時間的変化の割合は、外力のモーメントの和に等しくなり、内力のモーメントには依存しない。
量子力学では、角運動量は以下の交換関係を満たすとして定義される。
この角運動量の性質を調べると、のように位置と運動量で表すことができの固有値が整数のみに限られる軌道角運動量と、の固有値が整数に加えて半整数も許され、位置と運動量では表現することができないスピン角運動量の2つに分類することができる。詳しくは各項目を参照。
「角運動量」のスレッドを作成する
友達に教える
URLをコピー
業界用語wikiへ戻る
お問い合せ